Box 2F ショウジョウバエにおける平面内細胞極性
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これは成虫のハエの表皮で確認でき、腹部表皮はすべて後方向きの毛を持ち、翅表皮はすべて先端部向きの毛を持つ(図a)
平面内細胞極性を確立するメカニズム、特に組織において極性の軸が決定される方法は、完全には理解されていない
しかし、細胞レベルにおいては、これに関与するいくつかの主要タンパク質は同定されてきている
ハエの腹部表皮では、Fzが存在しないと細胞極性は破壊され、毛の方向性はランダムになる(図b)
しかし、もしFz遺伝子が表皮細胞の小さなクローンでオフになった場合、そのすぐ広報にある正常な細胞が逆向きの極性を持つようになる(図c) このことから、極性は細胞同士の相互作用に影響されていることがわかる
Fzは、平面内細胞極性に対しては少なくとも3つの機能を持つと考えられる
長距離のパターン形成情報を上流部位から受け取ること
これは、組織軸全体でのFz活性の勾配形成に関わっている可能性がある
クローンの再極性化実験により、極性の方向はFz勾配の低い方向に向くことが示唆される
局所的な細胞極性を調整する細胞間コミュニケーションに関与している
細胞内の毛の成長のためのきっかけを与えること
どのようにして組織全体に及ぶ極性方向が設定されているのかは、まだ知られていない
しかし現在、個々の細胞の極性を決定・維持する重要な相互作用が、表皮の細胞結合部位で起こることが明らかになっている
結合部位の2つの側面間の非対称性は、隣接している細胞膜のタンパク質同士の相互作用により確立される https://gyazo.com/7797f6cf5ed23227014674046c0b9286
これらの細胞質タンパク質は細胞極性を確立すること自体には重要ではないが、極性シグナルが細胞内で顕在化するために働いているかもしれない これらは組織の極性軸に沿って勾配を形成し、上述のタンパク質と何らかの方法で相互作用することにより、長距離に及ぶ勾配を持つ細胞外シグナルとして、極性方向を定める役割を果たしていると提唱されている しかしながら、このシステムはFz-Fmi-Vang複合体システムと厳密に直列的に関係しているのではなく、むしろ独立に並列して機能しているという証拠がある
FzとFmiの両方を欠いて複合体を形成できない際でも、Dachsousもしくは同じグループのタンパク質を過剰発現するクローン細胞は、隣接する細胞を再極性化することができる 平面内細胞極性を解明することは、いまだ進行中の魅力的な仕事
細胞極性の決定は、すべての動物における発生の重要な一側面
たとえば我々は、同じいくつかのタンパク質がどのようにして細胞の形状と極性の変化を制御し、原腸形成基の脊椎動物胚の形を作り直すのかを助けるかを見ていくことになる